今週は調査方法の分析と自分の目指す調査方法について考えました。
前回あげた4つの観察方法を表にして、比較してみました。
そこから分かった問題点としては
【問題点】
1. 常に観察されているため、被験者は本来の自然な行動がとりにくい。
2. 影として存在しても、発見があった時の介入が難しい。
3. 本来の環境を崩さないため、調査人数に限りがあるが、そのため発見の共有が 難しい。
4. プロじゃなくとも容易にできる方法でなくてはいけない。
5. ビデオの使用は気軽さ、日常性に欠け、被験者・調査者の心の準備が必要。
【考え得る解決策】
1. 調査の前に、その集団の中に溶け込むための機会を作り、親交を深める。
2. 影の存在ではなく、その集団の一員になる
3. 新しい共有方法の創造
4. 文化の異なる集団や個人のコミュニティ(又は家)に自分を置き、文化や生活、概念の比較などから体験的に気づきを得る。
5. 主にデジカメやスマートフォンのカメラ機能を利用する
+そしてラピッドに!
そこから新しい観察方法を導き出そう、でもその前に作品でもなんでも名前をつけることが大切だ!とおもったので
これを
と呼ぶ事に決めました。
KH法の(理想とする)特徴としては
●観察者と被験者の関係ではなく、その集団の一員として存在するのでユーザーの本来の行動を妨害しない。
●気になる事があれば、友人のように自然に介入して質問できる。
●記録には常に撮り続けるビデオやレコーダーは使わず、気付いたらすぐ撮れるように、スマートフォンやデジカメで気軽に撮れるものを使う。
です。
KH法の流れとしては以下のような感じでイメージしています。
やはり、まずインタビューでも観察でも仲良くならなくては何も自然なものは見れない、と思い「仲良くなる」フェーズからから、自分をその環境に置いてその手段の一員のように暮らす。
その中で気付いた事があればスマフォで写真を撮って、友達のように質問する。
それを持ち帰って共有するという流れです。
この中でも一番デザインしなきゃいけないのは、ピンクの丸がついている
「仲良くなる」と「持ち帰って共有する」フェーズだと思います。
なのでそこを重点的にプロジェクトなどと絡めて進めていきます。
イメージとしては
「仲良くなる」は例えば情報デザインフォーラムやワークショップの後によくある、お酒を片手にポスターセッションを見ながら懇親会が一番良い例ですね。
そういう懇親会ではポスターなどが会話のきっかけとなり、テンションを高める要素として食べ物やお酒があります。
現場ではポスターではなく、自分の文化に関連するもの、もしくは彼らの文化と共通するものなどをきっかけにして入り込んでいく。
「持ち帰って共有する」はまだ未定ですが、スマフォで撮った写真を使ってストーリーボードにし、そこから問題発見や解決案を導き出すというものです。
これらを今月中にプロジェクトの関係で宮城へ行くので、そこでの調査で使い分析してみたいと思います。
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