最近
世界を変えるデザイン展であったような、発展途上国に向けたデザインの活動(残りの90%のためのデザイン)に関心があります。
遅ばせながらやっとシンシア・スミス著
「世界を変えるデザイン」を読みました。
そこで感動した部分をメモしておきます。
これは「Pot In Pot Cooler」という作物を長期間保存しておくための壷です。
暑さの厳しい国では、電気も通っていないため収穫した作物を長期間保存しておけません。
そこで作られたのが、この「Pot In Pot Cooler」
この壷には中にもう一つ壷が入っていて、壷と壷の間に湿った砂をつめておくと中の壷が冷やされて作物を保存することができるという仕組みです。
このポットのおかげで作物の長期間保存が可能になり、毎回作物を売りに村の外へ出かけていた子供たちも効率よく販売活動ができるようになったおかげで学校へ行く機会が出来たそうです。
私は長期間保存が可能になったことよりも、可能になったことによって子供達の未来が変えられたことにとても感動しました。
ある問題のみを解決するだけでなく、その解決によって生まれる経験やコト。
このPot In Pot Coolerのような経験を与えられるようなデザインをしたいと強く思いました。
それから別の例としてこの有名な「Q Drum」
このドラムはただ水を簡単に運べるようにするだけでなく
従来はこのように頭の上に乗せて運んでいたため、首や背骨などに沢山の障害を引き起こしていたそうですが
Q Drumは「引っ張る」という行為に変えたことで、今までの身体の障害を減らす事ができた上、女性の仕事だった水汲みがこのQ Drumでは子供も易々と運ぶ事ができるので、女性から子供の役目へ代わり、女性は他の大切な仕事に関わる事ができるようになったそうです。
これも「水を運びやすくする」という問題から「人々の生活を改善・効率化する」という経験のデザインだと思います。
それからこの本の中で気になったトピック
・世界で1億1200万人の子供たちが小学校に通っていない。その大半が女の子だ
・世界中で8億5500万人が文字を読めない。このうち3分の2を女性が占める。
今私は好きなだけ勉強も出来るし、バイトをしても男の人と同等に扱われているし、大学でも男だから女だからということは一切ありません。
これはもう当然の事のように日常にありますが、これは本当に世界の10%に過ぎないんだということをこの事実を知って気付かされました。
とても私には衝撃的でショックを受けました。まだ男女の差別があるということ、沢山の子供達が教育を受けられず仕事をしているということ。
絶対に私なんかよりももっと勉強したい、という意欲をもっている人がその中に沢山いるはずなのに、自分のやりたいことができないという現実。
ですが上の2つのデザインのように、少しずつでもそれを改善していけるはずだと思っているし、自分でもこういったデザインをこれから主にやっていきたいなと思います。
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